新しい募金のカタチ~北海道共同募金会~

「赤い羽根」と聞いてぴんと来ない人はいないのではないでしょうか。
そう、「赤い羽根共同募金」は我々の生活に根付いた助け合いの輪です。
「困っている人」への支援、災害大国ニッポンでは備えが欠かせない「災害準備金」。
まめぷろマガジン第2号では、共同募金会の役割と今年のPR活動の目玉に迫ります。

ちょっとおさらい 赤い羽根共同募金ってどんなもの?

他の一般的な募金に対して、赤い羽根共同募金には、「計画募金」という際立った特徴があります。
世の中には募金の窓口も募金方法もたくさんありますが、この中でも共同募金会は、数ある募金のうち、唯一社会福祉法で定められている募金団体です。
「この事実に責任と使命を感じています」と事務局長の天羽(あまう)さんはおっしゃいます。
計画募金は、どの分野にどのくらいの支援が必要かを取りまとめ、そのために必要な目標額を設定し、実際の募金活動をしていくものです。
実際、年間三千数百件もの助成が行われているそうで、ひとくちに「なんのための募金」と語り切れないところに福祉活動としての共同募金会の役割の大切さ、視野の広さを読み取れます。
また、「何のために」を意識しなくても「よいことだから」と赤い羽根に募金してくださる方がたくさんいらっしゃる現状からも、「赤い羽根」のブランドイメージが定着していることがわかりますね。

気さくにお話くださる天羽事務局長。
静かな物腰の中にも秘める「助け合い」への熱意が伝わります。
襟には今年限定デザインのしろくまピンバッジ。

集められた募金は計画に従って民間福祉活動への助成に使われるだけではありません。 災害大国ニッポンにおいて重要なのが「大規模災害の発生に備えた積み立て」です。 ここのところ毎年のように大きな災害に見舞われ、痛ましい被害を目の当たりにすることが多くなりました。 このような非常時にも迅速に災害ボランティアセンターが立ち上がり、支援の手が開始されるのも共同募金会があってこそ。 全道の皆様の善意のおかげで「災害準備金」を確保できていたおかげで台風19号の際にも1,680万円もの支援金を拠出できたそうです。 北海道だけにとどまらない善意の輪。それを支えているのが私たちの小さな力だと知ったら、ちょっと誇らしい気持ちになりませんか?

実は寄付を集めることだけが使命ではない。
あまり知られていないけれど大切な共同募金会の役割。

募金活動には数々の方法(チャンネル)がありますが、昔ながらのチャンネルとして、各世帯からの募金(戸別募金)があります。 実はこの戸別募金、寄付を集めるだけの役割ではないのです。共同募金会の大きな使命のひとつが「住民相互の関りを深める」というもの。「じぶんのまちを良くするしくみ」をつくるには、地域の個人・団体・会社が顔を合わせて協力していかないと続きません。
募金の呼びかけを通じて、地域のつながりをつくる、ふれあいの機会をつくる。
こんなところにも共同募金会の存在の大切さを感じることができます。

コロナ襲来!今年の募金活動はどうなる?!

とはいえ、今年は新型コロナウィルス感染拡大予防の観点から、従来のほとんどのチャンネルでこれまで通りの実施をすることが困難となるそうです。募金活動が始まって以来最大のピンチともいえるかもしれません。
北海道共同募金会といえば、様々なスポーツ団体とも協力し、試合の際にブースを設けて共同募金の取組を知っていただく「イベント募金」も有名ですが、今年は2月以来イベントそのものの中止が相次いでおり、実施ができない状況です。
10月1日からの「赤い羽根共同募金活動」の実施に向けては、衛生配慮に関するガイドラインを定め、街頭募金については、ボランティアの数や時間の短縮も考慮したうえで、各市町村の判断で行うとのこと。しかし、中止を余儀なくされるところもあるのが切ないところです。
「でも」と天羽局長は静かに語ります。
「募金活動がどんな状況に置かれても、社会には多くの支援が必要とされており、助け合いの輪をあきらめるわけにはいかないのです。」
そこで今年、注目される募金PR活動が「ピンバッジ」と「インターネット募金」です。

地域を知る、北海道を知る。ピンバッジ募金を楽しもう。

ピンバッチ募金とは、募金額500円あたりにひとつご当地ピンバッジがもらえるというもの。全道的な募金額の減少の減収をカバーするためのアイディアとして、平成25年から市町村共同募金委員会での取り組みが始まりました。 最初は5つからスタートしたピンバッジも、現在では100以上に種類が増えたそうで、たかがピンバッジと侮ることなかれ、ご当地ゆるキャラや初音ミク、SL蒸気機関車など様々なデザインが楽しめます。

今年の限定デザインを一部ご紹介。
写真を見た当社女性スタッフ(若い)からも「しろくまかわいい―♪ほしい!」と声があがりました。

毎年新しいデザインになるのもマニア垂涎の魅力のひとつ。目指せ、コンプリート!

このピンバッジ、とても人気が高く、それぞれの市町村を実際に訪ねて回りながらコンプリートを目指すファンの方もいるそう。北海道と一口に言っても、ご存知の通り広く、知らないところがたくさんあります。ピンバッジ募金で色々な地域を知るきっかけにもなりそうですね。
「楽しみながら北海道の各地域を身近に感じてほしいです。」と事務局の方々もイチオシの活動です。
また、鉄道ファンの方にも見逃せない一品も。釧路市や沼田町では蒸気機関車をデザインしたピンバッジを作成しているそうですよ。
ご興味のある方は、ぜひ各市町村共同募金会へお問い合わせを!!

新たな一手となるか。インターネット募金のポテンシャルはまだまだ未知数。

若い世代、子育て世代の募金への関心が薄いと言われて久しくなりましたが、赤い羽根共同募金の性質を知ると「我々も無関係ではない。責任がある。」と言ってくれる若者が実は多いそうです。つまり「知らなかっただけ」で関心がなかったわけではない層があったということ。
そこで、「知ってもらう」活動の一環として、北海道共同募金会では、インターネットを通じたPR活動、初音ミクやガールズバンドパーティとのコラボなど、様々な世代に受け入れられ易い手法を柔軟に取り入れています。
更に今年はWithコロナの情勢にも対応できる形として、インターネット募金にも積極的に力を入れることとなりました。この手法がデジタルネイティブ世代に響いてくれるか、まだまだ未知数ではありますが、もしかするとニューノーマルの生活様式下では新たな一手となりうるかもしれません。期待が高まります。
今年の「赤い羽根共同募金」の活動からも目が離せませんね!

【編集後記】
事務局の中は静かですがとにかく熱い!
これだけのアイディアとエネルギーはどこからわいてくるのですか?とお尋ねすると、天羽局長はにこやかに「スタッフの人柄のたまものですよ」とお答えくださいました。
信頼し、支えあう。共同募金の理念が、募金会の事務局の中でも活かされていると感じました。
今年は私も、インターネット募金をしてみようかな…。

【募金会情報】
北海道共同募金会
〒060-0002
札幌市中央区北2条西7丁目かでる2.7 4階
電話 011-231-8000
HP  http://www.akaihane-hokkaido.jp/

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