しろひげ在宅診療所を訪れました!

東京都江戸川区にある「しろひげ在宅診療所」の朝は8時の全員ミーティングから始まります。

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白を基調とした、明るい日差しが差し込む吹き抜けの診療所のコミュニティスペースに、総勢150人からのスタッフが一堂に会して毎日患者さんの変化について報告しあい、今日の業務についての確認をします。
スタッフ同士のコミュニケーションはとても活発で、医療専門職だけでなく、管理栄養士やドライバー、広報、福祉連携など、さまざまな職種の方々が一緒に協力し合っています。ミーティング後も院長の周りにはたくさんのスタッフが集まり、治療方針や意見の交換などが続いていました。
「どうすれば患者さんのためになるか」をみんなで考える、心の通った地域医療の現場を垣間見ることができました。

地域で、在宅で、支える

しろひげ在宅診療所の目的は「一人ひとりのあたりまえの幸せ」を支えていくこと。

理事長で院長の山中光茂先生は、「私たちは、ただの医療提供者ではありません。患者さん一人ひとりに寄り添い、その生活の質をどう向上させるかを日々考えています。」とおっしゃいます。

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また、社会貢献部部長の石川玲子さんからも、在宅診療所がどのように地域社会と連携し、患者さんの生活に密着したケアを提供しているかを伺いました。医療だけでなく、地域とのつながりや福祉連携がどれほど重要であるかを理解し、その活動がどれも患者さんのために尽力していることを感じました。
しろひげ在宅診療所のスタッフにはかつて患者さんサイドだった方がピアサポーターとして入職されているケースもあり、理念や言葉だけでなく、本気の支援が社会につながっています。

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江戸川区駄菓子屋居場所 よりみち屋~ひきこもり支援の新たな形

診療所からすこし歩いたところにある「よりみち屋」は、江戸川区から委託を受けて運営しているひきこもり支援の居場所です。

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こちらでは、ひきこもり状態の方々が社会とのつながりを取り戻すための支援を行っています。
ユニークな取り組みとして、ひきこもりの状態から少しずつ就労に慣れることができるように、15分から始められる就労体験も提供しています。「社会とのつながりを作りたいけれど、一歩踏み出すのが怖い」という方々に、無理なく自分のペースで進められるこの取り組みは、とても温かく、利用者さんに寄り添った方法だと感じました。
「よりみち屋」の特徴は、ただの支援施設ではなく、地域のコミュニティスペースとしての役割を持っていることです。ここでは、ひきこもりの方々が少しずつ社会に参加し、周りの人々と交流を深めることができます。
まるで昔ながらの駄菓子屋さんのような、気軽に立ち寄れる雰囲気の中で、利用者さんたちは安心して自分を表現することができるのです。
この施設を運営するスタッフの方々も、患者さんと同じように「どうすればその人にとって一番良い支援ができるか」を常に考えており、地域の人々と密に連携しながら活動をしています。地域の温かさを感じられる場所であり、ひきこもり状態の方々が「よりみち」をしながら、自分らしい生活を取り戻していく姿は本当に心温まるものです。

地域を支えるふたつの場所はどちらも「あったかい」

「しろひげ在宅診療所」と「よりみち屋」。
どちらの施設も、地域の一員として人々の生活に寄り添い、支え合う場所として大切な役割を果たしています。それぞれが異なる形で支援を行いながら、共通して「地域とのつながり」を大切にしています。
また情報がお手元に届きやすいようにとWEBメディアと冊子で展開する「たゆらかたうん」の発行をしたり、多方面からの支援のアプローチも加え、患者さんや利用者さんが自分らしい生活を送るための支援を惜しみなく行っています。
この活動は地域全体にとって大きな力となり、江戸川区全体が明るくなっていくことでしょう。
これからも、「しろひげ在宅診療所」と「よりみち屋」がもっと多くの人々に温かな手を差し伸べていくことを心から願っています。

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