今年も密着!技能五輪~北海道予選編~
技能五輪2022 北海道予選始まる
昨年度、まめぷろマガジンでも若く熱い挑戦をお届けしてまいりました、技能五輪大会。2022年度の北海道予選も早々に始まりました。
昨年の模様については以下よりご覧ください。
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2021/06/08
技能五輪北海道予選2021
~造園編~ -
2021/12/14
いよいよ直前!
技能五輪全国大会
~造園種目出場選手を突撃~ -
2022/01/18
激闘に感動と涙
技能五輪全国大会2021
@東京 -
2022/03/29
技能五輪全国大会・
全国障害者技能競技大会
メダル受賞報告会
今年の全国大会は令和4年11月4日(金)~11月7日(月)の日程で、幕張メッセ他の会場で42職種について実施が予定されています。
(詳細は中央職業能力開発協会のHPに順次発表予定です。)
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/zenkoku/index.html
技能五輪の予選会は、種目によっては技能検定試験とあわせて行われるものもあり、原則的には非公開となりますが、今年も北海道職業能力開発協会様、札幌造園協会様、会場となった北海道岩見沢農業高等学校様のご厚意により、消毒と感染対策を行ったうえで取材を許可いただきました。
ありがとうございます。
また一回り進化した!支え続けているのは強力な応援団
4月23日、北海道は桜が咲き始めてはいるものの、指先がかじかみそうな寒さが続きます。
そんな寒空の中行われた今回の予選会、エントリは一名となりました。昨年も全国大会に出場した辻志明(つじ ここあ)選手です。
人数の多寡にかかわらず、手を抜くことなく公正に、そして誠実に、予選会は開催されました。
競技委員や学校の先生方、北海道職業能力協会の職員の方々が見守る中、辻選手の作業の音だけが会場に響く空間。これはいつもより緊張するのでは…という心配は杞憂でしかなく、当の辻選手の動きは滑らかで余裕すら感じさせました。
昨年の予選会に比べ、肩の力が程よく抜けた感もあり、また一回り成長したことがわかります。
さて、ひたむきに夢を追う辻選手には強力な応援団がいます。
まずは「自分のやりたいことをやりなさい」と、そっと見守り、背中を押してきたご両親。
そして、入学当初から指導にあたられてきた山口教諭です。
実は進学先を選定する際、当初は農業科学科を選択していたそう。
しかし山口教諭との出会いが辻選手の進路を変えました。
「絶対に造園に行く」そう言って書類をすべて書き直し、環境造園科へ入学。技術と情熱を磨いてきました。
熱心に指導する山口教諭は辻選手にとってまさに「恩師」であるといえるでしょう。
山口教諭は「昨年の全国大会が終わってからすぐ『来年も出る』と喰らいついてきました。その言葉通りまた成長しています。まだまだ伸びしろもありますよ。」と辻選手の成長を裏付けてくださいました。
また、全国大会に同行したことは山口教諭にとっても新たな発見があったそうで、指導する方々にとっても技能五輪という場が大事な役割を果たしていることがわかります。
▲ 課題が着実に出来上がっていきます。 |
そうこうしているうちに規定時間の3時間が経過し、競技時間は終了。辻選手は課題である四ツ目垣、建仁寺垣の二つを堂々と完成させました。
プロから話を聞ける、貴重な講評の時間
閉会式では結果発表と表彰が行われ、選手の健闘が称えられました。
競技委員で空知造園技能協会の鈴木造園(株)鈴木社長は「既にプロの仕事を見た」と絶賛。
「余裕すらあった」と言葉が続きます。講評の中で造園の仕事は背中で見せる(魅せる)ものでもあるとお話をしていらっしゃいましたが、本当にその通りで、何もないところから庭ができていく過程はずっと見ていても飽きない魅力があります。
奥内理事長も「ちょっと褒めすぎかな」と笑いながらも辻選手の成長を称え、更に今後もっと伸びていくための技術をアドバイス。実際に手を動かし、「こうしたらもっとよくなる」と実践的なお話が続きます。
それに応える辻選手も、身を乗り出して質問し、改善点をじっと見据え、一つも聞き漏らすまいという姿勢でいるのが印象的でした。
それはもう、一人の「職人」としての姿。
高校三年生ということで卒業後の進路を考える分岐点でもありますが、辻選手の見据える将来は既に揺るぎないものになっているように感じました。
▲ 質問と指導は尽きることなく |
今後の技能五輪の詳細についてはまたお知らせいたします。ご期待ください!