北海道障がい者のアート展~みんなのアールブリュット~
北海道障がい者のアート展は回を重ねるごとに深みを増し、3回目の開催となった今回は、150を超えるアールブリュットの作品が集まりました。
今回の開催場所は、札幌市民交流プラザ。ここは札幌市図書・情報館、札幌文化芸術センターSCARTS、札幌文化芸術劇場hitaru、そしてカフェやレストランも併設した複合施設で、市民の憩いの場です。
明るく開放的なスペースで輝きを放つアート作品の数々。その魅力の前には、たまたま行きあった方の足も止まります。このアート展を目的に訪れた方はもちろんのこと、図書情報館に来た方やランチやカフェ利用の方も気軽に立ち寄っている光景も見られ、アールブリュットをより身近に楽しんでいる様子でした。
今回もアートのジャンルは絵画だけではなく、書道あり、立体作品あり、作詞あり、小説あり、デジタルあり、と盛りだくさん。
(※写真撮影やSNS投稿OKの作品のみ撮影しております)
キャプションも個性的で面白く、様々なバックグラウンドを持ったアーティストがいらっしゃるということを知るのもまた楽しい時間です。
さらに、アールブリュットの展覧会に足を運ぶたびに思うのは、見る側と作者の距離が近いこと。「この素敵な作品を作った方はどんな方だろう?」と作品の向こう側まで想像する楽しみと共に、アーティストご本人にお会いできるという幸運が巡ってくることもしばしばあります。
先日のポコラート受賞者展でご紹介した佐久間智之さんとの出会いもこの「北海道障がい者のアート展」でした。最近は大きな作品が多いとのことで、今回は規格にあうサイズの過去の作品を出展しています。
そして今回も新たな出会いをいただきました。
こちらの作品を描いた今井さんは、北海道開拓の村が大好きで何度も訪れているそうで、同施設にある大正時代の病院の診察室を元に、明るくて春らしい素敵な作品を描き上げました。 同行していた就労支援事業所の施設長佐藤さんは「絵を描く時の集中力がすごいです。様々な画材を使って、指で伸ばしたり、色を重ねたりして作品を仕上げています。」と制作風景についても教えてくださいました。
今回は主催が北海道になって初めてのアート展ということで、北海道保健福祉部福祉局障がい保健福祉課の小林様からも一言いただきました!
今回のアート展は、個性豊かな作品に触れることで、
障がいのある方への理解が広がっていくこと、
また、障がいのある方が作品を発表する機会を作ることを
目的に開催しました。
この度、たくさんの方に御来場いただき、
「この作品すごいね。」
「わたしこの作品すごい好きです。」といった
嬉しいお言葉を掛けていただくこともありました。
今後も、こうした作品展の開催を通じて、障がいのある方への理解や
作品そのものの魅力に気づいていただけるきっかけになると嬉しいです。
なお、この度のアート展の模様はテレビのニュース番組でも取り上げられました。今後ますます認知度が高まっていくことが期待されます。 また、どこで自分の作品を披露したらよいかわからない、という当事者の方にもこのアート展の存在が広まり、活躍の場が広がりますようにと願っています。