今年も推します!技能五輪北海道予選2023

技能五輪2023 北海道予選開幕!

技能五輪全国大会2023、いよいよ北海道予選が始まりました。
昨年の模様についてはこちらをごらんください。

今年の全国大会は令和5年11月17日(金)~11月21日(火)の日程で、愛知県国際展示場他の会場にて41職種の実施が予定されています。

魅せる背中、追いかける汗

4月22日、時折小雨もぱらつく寒空の中で予選会は静かにはじまりました。
今回のエントリは昨年も全国大会に出場した辻志明選手と、北海道岩見沢農業高等学校2年の山田拓海選手です。
今年の技能五輪全国大会は、次の国際大会の予選会を兼ねているため、造園職種は2名のチーム戦での出場となります。
同じ高校の先輩と後輩でもあった2人はそれぞれの技能をこの予選会で惜しみなく見せてくれました。

今年の辻選手はますます洗練された身のこなしで着々と課題を作り上げていきます。
作業の一つひとつが考えられていて工夫があり、余裕の中にも正確さと美しさを感じます。
その余裕の仕上がりのため、規定時間3時間のところ「2時間でよかったのでは?」と競技委員の先生方に言わしめるほど。
全国大会のあの過酷な課題をこなしてきた経験がまた彼を成長させたことは語るまでもありません。

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この春には高校を卒業し、熊本県に修行に出た辻選手ですが、北海道に恩返しがしたいと、敢えて北海道代表としての出場を目指します。
自分が出場して得た経験を後輩に伝える義務がある、とも話していました。

そして今回初出場の山田選手は、生徒会の副会長として忙しい学校生活を送り、練習時間が十分に取れないながらも、学内随一の技術力をもって挑みました。
途中、柱の焼杉の節が固すぎて釘が入らないなどのトラブルに見舞われながらも、手を止めない山田選手。
焦ることなく几帳面に竹を切り出し、シュロ縄をうち、コツコツと作り上げていきます。
こうして四ツ目垣、建仁寺垣の二つを完成させたときには、汗びっしょりになっていたくらいの集中力をみせてくれました。

競技終了後感想を伺うと「いやー、時間が…!」と一瞬悔しそうな表情を浮かべましたが、そのあと見せてくれた笑顔には、やり遂げた自信がにじみ出ていました。
後ほど聞いたところによると、予選会の課題は技能検定2級では出てこない技術も含まれているくらい高度なものだったそうで、それをこなせる山田選手のポテンシャルのすごさを感じます。
先輩の辻選手も「よくやってたよ」とねぎらい、このチームなら何かを成し遂げてくれそうな期待が高まります。

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▲ 課題が着実に出来上がっていきます。
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鳥肌がたつほど美しい完成度

辻選手の完成作品は、四ツ目垣の竹がきれいに重なってみえる角度があります。
あまりにピタッと重なっているため、本数が少ないのかと錯覚しそうになるくらい。その美しさは鳥肌ものです。

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また、山田選手の完成作品は「誠実さがにじみ出ている」と競技委員のお二人が口をそろえていうくらいの仕上がりで、両者の実力の高さがわかります。

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競技委員で空知造園技能協会の鈴木造園(株)鈴木社長は「造園はエンターテインメント」とおっしゃいます。
「正確な計測は基本でとても大切なこと。でもそれだけでは足りなくて、まず自分が楽しいと思わないと伝わりません。楽しいと感じるということがつまり感性を磨くということになると思います。今日は素晴らしいものを見せていただきましたがもっともっと良くなることも期待しています。この上のレベルを目指し、引き続き研鑽してほしい。」と選手を激励しました。

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今後の技能五輪の詳細についてもまた随時お知らせしていきます。ご期待ください!

※技能五輪の予選会は、種目によっては技能検定試験とあわせて行われるものもあり、原則的には非公開となりますが、今年も北海道職業能力開発協会様、札幌造園協会様、会場となった北海道岩見沢農業高等学校様のご厚意により取材を許可いただきました。
ありがとうございます。