地域性を活かす施設運営~厚田みよし園の熱い毎日①~
札幌市内から車で1時間半ほどのところにある石狩市厚田。この地で昭和55年から地域の高齢者福祉を担ってきたのが厚田みよし園です。
今回はこの厚田みよし園の魅力をたっぷりお伝えします。
地域性を活かした特色ある施設運営が自慢
かつては「厚田村」だったこの地は石狩市の中心から少し離れているため、ご入居者様も地元の方が大半です。なので、ご入居者様同士が顔見知りであることはしょっちゅう。また、職員も小さいころお世話になったことがある人、ということが多いため、気心知れた関係でいられるのが特色です。
また、離職率の低さも自慢の一つ。10年、15年というベテラン職員が多いので、ご入居者様一人一人の表情を見ながら、今どう接するのがよいかを感覚的につかめているそうです。 生活の場に「節度は保ちながらも近しい存在」の職員がいることは、心身ともに頼りになりますよね。
「専門性はあっても職種の垣根はない」
厚田みよし園さんもう一つの魅力は、職員それぞれに専門性があっても、縦割りの垣根はないということです。
普段は事務所にいる八木沼さんもボーダレスな動きで一役買っています。
「地域で育ってきているので、ここに根付いた情報をくれる。パソコンにも強いし、入浴介助もできる。この前はドリルでロールカーテンもつけてくれましたし、節分には鬼になってくれました。 ご入居者様にお茶をたててくれたり、生活全般に目が届く。八木沼がいてくれるとパッとひとつ空気が明るくなります。 」
と説明してくださる総務主任の佐立さんも、時には食事介助や診療所への送迎に入ったりなど、総務の枠だけにとどまらないお仕事をされています。
左の赤鬼が八木沼さん。
華奢な普段の姿からは想像できないまでの鬼クオリティ!
更に特筆すべきは、ご入居者様や職員同士の距離感。
ケアマネージャーや相談員、訓練士といった職種の人は、通常ご入居者様と関われる時間が限られていますが、その短い時間の中でも積極的に現場に関わりたいとのこと。
「現場スタッフがどのように動いていてどういうことをやってるのか、どうやってこの人にかかわってるのか、という点にも興味関心を持たないと、プランは作れないと思っています。自分の目で見ないと関われないですよね。 」
訓練士さんや栄養士さんもその思いは同じだそうで、たとえば人気の名物訓練士さんは、常に笑顔であることも人気の秘密。「ターボがかかる時間がまたすごいんですよ。」とは相談員の三浦さんの言。
「夕方みんな疲れてくる時間にも笑顔を忘れない人なんです。僕より年上だけど、チーム全体をみていて、パワフルです。」
大井さんも、「うちの栄養士もすごいですよ。」と胸を張って教えてくださいます。
「彼女がきてから食事の形態のバリエーションが増えました。きざみ食やミキサー食にするときも、ゼラチンをつかったらいいのか、ほかのとろみをつかったらいいのか、食感をすごく考えてくれるんです。」
お読みいただいてお気づきになりましたか?職員同士がお互いの仕事を尊重していることに。このチームワークの良さ、一朝一夕に成り立つものではありませんよね。
順風満帆ではなかった
お話を伺う中で「ここをよくしよう」という熱量をひしひしと感じますが、実は開設当初からずーっと順風満帆だったわけではありませんでした。
10年余り前には大量離職の危機に瀕したことも。
「僕は “ごっそり離職” を目の当たりにしています。 離職にはいろんな理由はもちろんありますけど、1年で15人もやめたりしちゃったことがあって、人数の要件が満たせないから利用者さんを受け入れられないという悪循環が続いたことがありました。正直ギリギリ、っていうこともありました。」と佐立さん。
その頃入職した大井さんも当時を振り返ってこうおっしゃいます。
「最初入ったときは 『やばい…』と心配しました(笑)。でもこの何年かでのV字回復をすごく感じています。」
危機的状況から脱するきっかけは。その秘訣は。
ここに一人のキーパーソンの名が挙がります。
それは「東川事務長」。
次号で詳しくお伝えします。