社会福祉法人の決算と経営分析

新年度も始まって早1か月、怒涛の決算業務も終盤戦というところでしょうか。
さて、次に待っているのは「WAMNET」への電子開示システムファイルの提出ですね。今年度の稼働については4月1日からすでに開始されています。
電子開示システムの目的は「社会福祉法人の運営の透明性を確保すること」と「届出の電子化を推進することにより法人の事務負担を軽減すること」とされています(後者については、システムの入力が手間で、軽減につながっている実感がない…という懸念もありますが)。
健全な施設運営を意識し、次の課題を洗い出すためには、社会福祉法人でもぜひ「経営分析指標」を活用したいもの。今回のまめぷろマガジンでは、経営分析指標の使い方をおさらいします。

経営分析指標とは

そもそも「経営分析指標」とは。簡単にいうと現在の法人の状態を表すカルテのようなものです。法人の経営状況をいくつかの項目で数値化して表すことで、客観的に把握することができます。
計算数値のとらえ方をいくつかご紹介します。

  1. 社会福祉法人が抱えるリスクを知る
    ア)人員の不足、人員配置の適正
    福祉の仕事はやりがいも大きい反面、心身への負担を感じて離職してしまう方も少なくないのも事実。政府もこの点を憂慮して、特定処遇改善加算などを導入して安定した人材の確保を後押ししています。
    そういった運営努力が適切に反映されているかをみるのに最適な項目が、「職員一人当たりサービス活動収益」と「人件費率」です。
    前者は、職員一人当たり、どの程度の事業収益を得ているかの指標となり、効率性の理解に役立ちます。この指標が平均より小さい場合、職員数や人員配置に課題を抱えているとも考えられます。
    確かに、社会福祉事業は、労働集約型であるため、人件費割合は比較的高い傾向にはありますが、あまりに人件費率が高すぎる場合は収益性の悪化を示しているとも考えられ、過剰人員の可能性を検討することやサービス活動の内容の見直しをする必要があります。
    イ)設備投資リスクを知る
    福祉に関する施設整備は専門的で、安い投資ではありません。
    固定資産老朽化率が高くなっていると感じたら、積立がいくらあるか、正味金融資に余裕があるか、といった点を気にするとよいでしょう。
    実際に設備投資する段になりましたら、投資した分を何年で回収できるか試算しておきましょう。その際にも、サービス活動の収益率が重要になってきます。
    ウ)事業拡大リスク
    サービス収益が高かった、経常増減差額率が高かった、という場合、次に考えられるのは事業拡大です。
    その際、「地域でのニーズ」と「最適な事業形態」を考慮しましょう。
  2. 今後の経営戦略はどう立てるか
    長期的に安定した運営ができるようにするためにはいくつかポイントがあります。
    まずは赤字運営を続けないということは言うまでもありません。
    事業活動支出が事業活動収入を上回っている状態が恒常的になっていないか、財務諸表を確認しておきましょう。
    なお、運営指標として有用な計算式の一つに「事業活動資金収支差額率」があります。併せて参考にするとよいでしょう。
    また、利用者に付加価値を提供できるかどうかも、そのサービスで収益が見込めるかどうかの鍵になります。 地域との交流が図れるサービス、介護の不要な高齢者をターゲットにしたサークル活動、など、地域のニーズを探ってみるのもよいでしょう。

SimWork経営分析なら、これらの経営指標の計算も楽々。理事会や評議委員会での説得材料としてお役に立てます。詳しくはお気軽にお問合せください。

まとめ

WAMNETへ財務諸表の提出を行うと、それを元に各数値の全国平均や分布が示されます。
SimWork経営分析でリアルタイムの数値を算出し、目標値や全国の数値と比較することで、より健全な施設経営にお役立てください。
また、各法人様オリジナル指標も簡単に作成することができます。財務データをもとに算出しますので、文字通りの生きたデータでの分析が可能です。

お問い合わせは info@protech-web.co.jp