ゆうあい夢アート展に行ってきました

初夏の風薫る函館の芸術ホールにて、「ゆうあい夢アート展」が3日間にわたり開催されました。
前回お伺いした際の感動が忘れられず、またまた足を運んでまいりました。

まさに圧巻!日常から生まれたアートがずらり

この「ゆうあい夢アート展」は、社会福祉法人侑愛会の 新生園と函館青年寮通所部 の合同開催です。
昨年は新型コロナウィルスの影響で残念ながら中止となりましたが、今回は侑愛会様の感染予防対策指針のもと、2年ぶりの開催となりました。

圧倒されるのは、その作品の数、そして多彩さです。

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前回ご紹介したアート展も距離が近くて親しみやすく、素敵な展示会でしたが、今回はまた趣が異なり、圧倒的な作品数で見ごたえ倍増です。
共同作品の大作も多数あり、モザイクアートや焼物、再生和紙の作品、テキスタイルのような緻密な絵、ほんわかした塗り絵、…紹介しきれないくらいの数の作品がずらり。
半分取材を忘れ、一ファンとして見入っていたところ、偶然にもご本人がご両親とともに来場!この感激、伝わりますでしょうか!
ご本人と会話を交わすことは難しかったのですが、ご自身が作られた作品が、いつもと違うところに飾られているのをご覧になっているにこやかな表情と優しいご両親の姿を拝見できただけで僥倖です。
「気分がのったときの作品だから色が明るいよね。」と函館青年寮通所部課長補佐の梅本利恵さんが声を掛け、ご両親に解説を添えます。
確かに、夜空に咲く花火のような作品でした。

さて、梅本さんにあれこれとお話を伺いました。

これだけの作品が集まっていますが、いつも気分が乗って日中活動ができるわけではないですよね?

もちろんそうですね。今日は全然何もやりたくないっていう日はあります。うきうきするときもあれば、機嫌が悪い時だってある。体調が悪い時もあります。 それはみんな一緒のことですけれど、 気持ちのちょっとした変化をくみ取って、少し手を添えてあげることが我々の役割かな、と思っています。

作者ご本人が見に来られると、やはりモチベーションがあがったり、笑顔になったり、といった変化が感じられますか?

私が今所属している函館青年寮通所部『にじ』は、障がいの重い方を対象とした施設ですので、歩くことも、目を開けることも難しい方もいらっしゃいます。でも、バスに乗って、いつもと違うところにきて、いつもと違う雰囲気とか風を感じることでちょっとした反応をキャッチすることができますね。それがまた私たちも嬉しかったりします。

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函館青年寮通所部課長補佐の梅本利恵さん

さらりと笑顔でおっしゃいますが、「ちょっとした反応」をくみ取れるには、相当きめ細かい観察力と気配り、そしてかなり信頼関係が必要なのでは…。

でも確かにそうですね。自分の気持ちを言葉などの形にできなかったとしても、そのひとに感情そのものがないわけではない。
その人なりの表現を受け取り、支えてきたからこそ、このアート展につながってきているということなのですね。

愛があふれるキャプションボードは第二の作品

梅本さんの言葉を裏付けるものがこの会場にもうひとつ。
作品ひとつひとつに、職員力作のキャプションボードが添えられています。
どれも利用者と真摯に向き合っているからこそ生まれるひとことです。
時には作者との会話そのままが添えられていたり、職員の素直な感想が書かれていたりして、作者や作品の魅力が一層伝わります。
愛にあふれるそれらは、第二の作品と言っても決して言い過ぎではないでしょう。どれもこれも興味深く、読みとばせるものはありませんでした。

ふんふん。なるほど。くすり。ほろり。
作品の前で笑ったり、頷いたり、二度見したり、ご来場のお客様は皆様そんな風にご覧になっていました。
家族を思って描いた作品にその方の言葉が添えられているのを見てしまったときには、涙腺が決壊しそうになるのをこらえるのが大変でした。

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これこそが原点。弊社社長も久々の感動に感謝

実は今回のアート展には弊社社長の鈴木も同行。
なかなか現場に出る機会が少なくなった鈴木ですが、「やっぱりここが原点だよなあ…」としみじみ。
「多彩な魅力をもつ利用者ひとりひとりに、職員が寄り添う時間を増やすために、いい道具をつくろう」
それがプロテックの原点でした。この思いは今も変わっていません。これからも福祉に関わる方々のお役に立てるような会社でありたいと思います。

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と、感慨に浸っていると背後でこんな会話が。
「いやあ…この作品いいなあ…会社に飾りたいなあ…」
なんとか譲っていただこうとする鈴木。「非売品です」と苦笑なさる支援員の村山さん。
いつもは単独で取材に出かけることが多いので、まさかこんな場面に遭遇するとは思いませんでした(笑)。これもまた僥倖。

これからも素敵な作品に出会えることを楽しみにしています

明るい陽射し、心地よい風、風情ある街並み、そして素晴らしいアート。いろんな形の「その人らしさ」が詰まったアート展のお陰で、函館での豊かな時間を過ごすことができました。
心がちょっと折れそうになったとき、元気が欲しいとき、もし巡り合えたらぜひのぞいてみてほしい。そうご紹介したくなるアート展でした。これからのご活躍も楽しみにしています。

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