あとらくしょん【魅力】満載のLIFE展7
2016年1月の第一回目の開催から、早くも7回目。
愛灯学園地域活動拠点popke(ポプケ)で行われている「LIFE展7」(会期 2021年7月20日~8月17日)にお邪魔してまいりました。
クセになる魅力満載のアート展
愛灯学園は帯広市内にある社会福祉法人帯広福祉協会の施設で、就労継続支援B型をはじめとした事業を行っています。
日中活動もとてもユニーク。乗馬活動ぱかぽこ、音楽活動おとだらけ、アート活動ぐるぐるは三本柱と呼ばれているそうで、LIFE展もこのアート活動から生まれた作品によるものです。
現在愛灯学園で日中活動に取り組んでいるのは50名程度、そのうち20名前後の方々がアートに取り組んでいるそうです。
もちろんアートを強制するということはありません。
ものをさわって感触の違いを楽しむのが好きな人
外を歩いていろんなものをみるのが好きな人
身体を動かすのが好きな人
その人の好きなことを日中活動として、思い思いに取り組んだ延長線上に、数々の作品が生み出されているのです。
なので、中には偶然がうんだ作品も。
例えば廃材として出たミシン糸。
作者の佐藤司さんが、様々な太さの筒にこのミシン糸をぐるぐる巻きつける作業にはまった時期があり、何本も何本も、何ともいえない魅力的な色味の筒ができあがりました。この窓辺に合わせて作ったの?って聞きたくなるくらいしっくりくる作品です。
さて、会場となっているpopkeは、白樺通りに面したアクセスのよい場所にあります。もとは美容室だったということもあり、天井が高く、大きな鏡があって、明るい光が差し込む、まさにアートにピッタリのスペースになっています。
一方、少し照明を抑えたシックな空間も併設。スポットライトに照らされる大きな作品、影の形まで美しい立体作品、様々な表情を見せてくれるアート展です。
地域の人々が集う活動拠点としても活躍
お伺いした日はちょうどワークショップの開催日。クラフトバンドテープを使った素敵なかごバックの制作が行われていました。
何度か参加しているというマダム、小さな手で一生懸命かごを編んでいるお子さん、参加されている方々も多様で、popkeが地域の生活に溶け込んでいることをうかがい知ることができます。
「こうやって地域の人に立ち寄ってもらって、作品に実際に触れてもらいたいですね。 」と支援係長の佐藤力(つとむ)さん。
文字通り作品に「触れる」こともできるスペースは、なかなか貴重ではありませんか?
「これなにかなあ?」「何にみえるかな」という小さなお子様と
お母様のやり取りもほほえましい休日の一コマ。
それにしても、明るい陽射しの中アートに囲まれてのワークショップ…最高の時間ですね!
空間そのものがアート
吹き抜けになっている天井をひょいっと見上げると、そこにも作品の数々が飾られています。プチギフトみたいなかわいい作品たちに、窓から差し込む光がうまい具合に反射して、明るい雰囲気を作り出しだしています。
空間を活かしたディスプレイの仕方も楽しいアート展です。
重度の方で一つの「作品」を作り上げるのが難しい方もいらっしゃいますが、ちょっとずつ組み合わさっていけばこんな素敵な展示になるのですね。
「今ちょっと入院されていてここにいない方の作品もあり、こういう形で参加できているというのがまたいいですよね。レアものもありますよ。」と創作アドバイザーの梅田マサノリさんです。梅田さんは長年帯広とシカゴを拠点に作品を展開してきた現代美術作家でもあり、そのような方が関わっていることからも、愛灯学園の本気度を推し量ることができます。
梅田さんはさらにこう続けます。
「この作品をつくったサチヨさんは、視覚的に障がいがある方ですが、塗料がのったところの感触を探りながら、ペンで緩衝材のプチプチに色を付けていきます。彼女は耳がいいので、『もうちょっと右』とかキャンバスの位置を教えるだけでびしっと決まるんですよ。」
こうして、活動を支援する人々が、利用者一人一人をよく理解し、見守っていることも、LIFE展がクセになる魅力を放ち続けられる一因と言えるでしょう。
また、インパクトある作品が印象的なチラシやフライヤーは、毎回帯広大谷短期大学の先生がデザインを作ってくださっているそうで、愛灯学園の活動が沢山の方々に理解され、地域と密接に関わっていることがわかりますよね。
9月には個展も開催
今回は複数作家による作品展ですが、テーマを変えて個展も開催されています。
9月には日下義信さんの個展の開催が決定。
「この方の世界がまた独特なんですよね。モチーフを見て描いているはずなのに全然違うものが出来上がってくるんですけど、きっと彼にはこう見えてるんだなということがわかって面白いです。ご本人は80歳になりますが、色鉛筆とかサインペン、いろんなものを使って描き出すめんこい世界です。」
と佐藤さんが胸を張っておススメしてくださる作品展です。
是非足をおはこびください!
※「めんこい」…主に北海道、東北で使われる言葉です。「かわいい」よりも更に愛おしさや親しみがこもっている表現だととらえていただけるとちょうどいい按配です。
【地域活動拠点 popke(ポプケ)】
帯広市西21条南2丁目26-8
お問い合わせは 障がい者支援施設愛灯学園 (0155)37-5777 まで
社会福祉法人 帯広福祉協会 http://www.obifuku.jp/
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