来年もよい年になりますように~朔風のしめ飾り風景~

冬の足音が近づいてきたら、年末までの早いこと早いこと。
今年も1年、いろんなことがありましたね。
そして来年もたくさん、笑顔になれる日が訪れますように。
今回は新しい年に福を迎えるのにぴったりな、朔風さんのしめ飾り作業風景をレポートします。

利用者、職員、垣根を越えて熟練の技が光る

出荷を目前に控え、部屋の中は沢山の段ボールが積まれています。
中をのぞかせてもらうと、立派なしめ飾りが整然と並んでいて圧巻のひとこと。

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ここは社会福祉法人朔風の札幌市社会復帰センター。
一つの建物の中に多種多様な仕事をする作業室があり、かえで室はその一角にあります。
かえで室に通う利用者は13名ほどで、皆さん自分の場所で作業をされています。大きなしめ飾りの土台となる縄の編み方にはコツと力がいるそうで、誰にでもできる作業ではなく、また教える際も「このくらい」や「ちょうどいい按配」を伝えるのが難しいとのこと。まさに職人の世界です。

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縄を挟むこの道具も朔風の木工班の手作りで長年伝わってきているもの。
黒光りして丸くなった角が、伝統を物語っています。

「商品としてクオリティを重視して職員が手直しをするか、この人の『作品』としてそのまま出荷するか、そこはいつも悩みますね」と支援員の吉田 公浩さん。
一方で「障がい者が作ったものだからこんなもんでしょ、と言われていいはずがない」とも。
両軸を維持するため、一生懸命作業に取り組む利用者の姿を見、ひとりひとりのスキルや調子に合わせた作業配分をしながらも、年末の販売にむけて職員も率先して制作にあたります。
注文数は大小合わせて毎年6000を超えるため、1年の中で計画を立てて効率よく作業に当たらねばなりません。よくよく考えたら、これってものすごいマルチタスクです。

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神棚に欠かせないごぼうを梱包しているところ

趣味でLINEスタンプも作ってしまう、器用で丁寧な仕事に定評のある小松さん

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撮って撮って!と笑顔で話しかけてくださったところをぱちり。
チラシはさみの作業は根気が必要です。

また、作業するにあたり、こだわりのスペースを持つ方やこだわりの道具を自作する方のそれぞれの思いを尊重しているのが印象的でした。その一例をご紹介しましょう。
モダンなしめ飾りが映えるように用意された黒っぽい土台は、実は正方形ではないので、方向を間違って張り付けるとはみ出してしまいます。
そこで独自に編み出したのがこの台です。

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木工班の作業で出た端材を貰ってきて自作したものです。
自分の作業に責任と誇りをもっているからこそできた自慢の台です。

伝統と新しさの融合を模索しています

img12 世間では原油価格高騰もあり、材料高のニュースも聞こえますが、そういった仕入のご苦労はありますかとおたずねしたところ、やはり今年は価格を値上げせざるを得なかった苦しい事情もありました。
何より切実なのは、大事な材料となる菅(すげ)の作り手が年々減っており、供給が間に合わないこと。

お正月の風習として玄関にしめ飾りを飾るご家庭そのものが減少する中、市場規模も縮小傾向にあるそうですが、同時に、守っていきたい日本の習わしでもあります。

そこで近年注目されているのが、こちらの水引タイプです。

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水引の職人さんに作っていただいたリースタイプのベースにお正月飾りをつけ、モダンに仕上がっています。
常連さんのご要望から生まれた商品だそうですが、伝統の正月飾りに新しい息吹が吹き込まれています。
大きさも手ごろですので、マンションの玄関でもさりげなくお正月を祝うことができます。

職員と利用者が一体となって、丹精込めて作り上げられたしめ飾りは、ひとつひとつに味があり、おめでたいお正月を彩るにふさわしい商品です。
皆様のお宅の玄関や神棚にも、福と笑顔を呼び込んでくれることでしょう。

kadomatsu okame 事業所データ
社会福祉法人朔風
札幌市社会復帰センター
〒065-0019
札幌市東区北19条東6丁目1番1号